共通のテーマ。“粘り”で相手を上回れ(神戸vs福岡 J1)
Echofootball 2024/05/13 08:31
前節、C大阪を4-1で破って今季初となる首位に立った、昨季の明治安田J1王者・神戸。スコアこそ開いた試合結果とはなったが、前半から相手のポゼッションに苦しめられる難しい展開だった。そうした中で、貴重過ぎる2つの得点を導き出したのは武藤 嘉紀だ。
まずは38分、「サコ君(大迫 勇也)がフリーで持って、僕が良い状態で走れば確実に良いボールが出てくると思っていた」と確信を言葉にした武藤。大迫とのワンツーで相手の守備を翻ろうし、山口 蛍の先制ゴールへの流れを作ると、その6分後、今度はセットプレーだ。扇原 貴宏のFKを頭で合わせる。「角度がなくて折り返しを狙った」と冷静に状況を見極め、本多 勇喜の神戸初得点をお膳立てした。
C大阪にペースを握られる前半だったが、味方とのコミュニケーションワークを続けた武藤。相手の巧みなビルドアップに対し、プレス位置の修正などを施してバランスを整備。扇原は「流れは悪くても失点をゼロで進めれば、前線の選手の個のクオリティーを考えれば点は取れると思っていた」と前線への信頼感を口にしていたが、それに応えたのが武藤の2つのアシスト。チームの勝利をもアシストする貢献ぶりだった。
ただ、C大阪戦を振り返ったとき、「相手は両サイドにケガ人が出ていた。勝たなければいけない試合だった」とも語るなど、勝利に妥協を一切許さない背番号11。今節は本拠地・ノエビアスタジアム神戸に福岡を迎える激しい90分が待っているが、「僕らはやるべきことをしっかりやること。肉弾戦というのを楽しんで勝ち切れればいいなと思っている」と闘志を強める。“前へ”というチームスタイルをワンプレーから具現化するリーダーの1人は、球際1つから相手を上回る大切さを口にした。
他方、アウェイ連戦となる9位の福岡は前節、京都を撃破した。背後を取ったシャハブ ザヘディのラストパスを佐藤 凌我が流し込んで先制し、一度は追いつかれたものの、後半開始早々に田代 雅也と紺野 和也が連続で得点。今季初の1試合3得点を挙げ、最終的に3-2で勝ち切っている。
第6節で鹿島に勝利して以降、3勝5分と8戦負けなし。その原動力になっているのは守備力だろう。この間の無失点試合は『4』を数え、開幕2戦を合わせればすでに6試合でクリーンシートを記録している。今節の昨季王者との対戦では、まずはこの守りという強みで徹底抗戦することが必須。高強度の神戸に対して90分間、強気でぶつかり続けられるか。
神戸・吉田 孝行監督と福岡・長谷部 茂利監督は、2022年以降、リーグ戦では三度対戦。いずれも神戸が無失点で勝利し、直近の対戦である昨季のJ1第18節は神戸が3-0で快勝した。ただ、昨季のノエスタでの開幕戦でぶつかった際は互いに一歩も譲らず、70分に途中出場のジェアン パトリッキが決めた1点を守り抜き、神戸が粘り勝ちしている。両者の対戦では、この“粘り”が大きなテーマ。きっ抗した試合展開も想定される中で、忍耐強く守り、我慢強く攻め続けられるかは、勝点の数字を決める大きなポイント。前節から中3日の試合であり、古巣戦となる選手を含めた両指揮官の用兵も注目となる。
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