“もう一方”の向上も。浦和が進めていきたい「勝って修正」(浦和vs京都 J1)

Jリーグデータ 2024/05/13 08:40

前節・新潟戦で4-2の快勝を飾り、トータルで6勝2分5敗。明治安田J1第7節以来の勝ち越しと、今季初の連勝を飾った浦和。新潟が広大なスペースを提供してくれたとはいえ、連係はスムーズさを増し、的確にスペースを突き、時には自ら相手を動かしてスペースを創出した。


大枠を試行錯誤しながらも、選手の“関係性”を高めてきた成果が現出し始めている。攻撃面においては、もうそれほど心配はいらないだろう。今後さらに連係が高まり、ケガ人が復帰してくれば、より堅い守備の相手にも同様の攻撃を繰り出せるようになるだろう。


一方で守備面は苦労しており、前節は3点差のセーフティーリードとした状態から2点を失った。ペア マティアス ヘグモ監督は「3-0をわれわれが4-0にするのではなく、ボールロストから3-1にしてしまったことで、相手のプレーも力強さを増しました。新潟はボールを持たせたらチャンスメークできるチームですので、そうさせてはいけません」と試合の進め方を悔いたが、GK西川 周作のビッグセーブがなければ、前半のうちに試合をひっくり返されていてもおかしくない内容だった。


開幕当初に比べれば、守備も随分と整備はされた。ただ、まだまだ試合ごとにムラがあり、時間帯や場面ごとにもさまざまなエラーが起こる。そもそも、[4-1-2-3]の攻撃的なシステムを採用して攻撃的な人選で戦っていることもあり、個々の頑張りだけではカバーし切れない局面も多い。組織と個の両面で、もっと守備のディテールを詰めていく必要がある。


今節の相手・京都は新潟とまったく異なるスタイルのため、反省を生かしづらいところはあるものの、基本原則は変わらない。連戦のため準備期間は限られるが、プレスの寄せ方や連動、セット守備時のチャレンジ&カバーなど、少しずつでも細部を詰めていきたい。西川が語ったように「勝って修正して良くなってという作業を繰り返していく」ことが肝要だ。


勝ったり負けたりを繰り返しながらも、リーグ全体が混戦ということもあって6位まで浮上した。西川は新潟戦後、「首位に町田がいて(※前節の結果により2位に)、僕たちは今月に町田とも対戦がある。そこまで連勝でいくことで、町田に対してのプレッシャーを掛けることができると思う」とも語っており、久しぶりに順位を意識したコメントを残した。連戦で選手のやり繰りは苦しいが、連勝をさらに重ねて勢いに変えたい。


一方のアウェイ・京都は3連敗中。しかもホームゲームでは6戦全敗で、最下位と勝点1差の19位と苦しい状況にある。前節・福岡戦も常にリードを許す展開となり、食い下がるも2-3で競り負け、曺 貴裁監督は「勝点が取れない、引き分けにもできないことに難しさを感じていますし、自分の力のなさも感じています」と肩を落とした。


アウェイでの浦和戦で最後に勝利したのは2002年、通算でも負け越しと相性は悪いが、J1再昇格後のここ2年の対戦はいずれも引き分けと敗れてもいない。粘り強い戦いを見せて、浮上のきっかけをつかみたい。

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