８月21日に開催される天皇杯ラウンド16。レゾナックドーム大分では、Ｊ２の大分がＪ１の京都に挑む。カテゴリーは異なれど、リーグ戦で苦しい状況にあるチーム同士の対戦となる。

２回戦で鹿児島を１－０、３回戦で川崎Ｆを３－１で下して勝ち上がってきた大分だが、リーグ戦では現在７勝10分10敗の勝点31で15位。Ｊ３降格圏との勝点差はわずか『６』だ。リーグ前節はアウェイで愛媛と対戦し、序盤に２点のリードを奪いながら逆転を許すというショッキングな敗戦を味わった。そこから中２日で迎えるこのゲーム。さらにこの試合から中２日でアウェイにて岡山と対戦するリーグ次節が控えているとあって、負傷者も出ている中、チームマネジメントは困難を極める。特に夏に加入した吉田 真那斗と髙橋 大悟がそれぞれ前所属の横浜FMと町田で天皇杯に出場しているほか、有働 夢叶、木本 真翔、宮川 歩己の３人のＪＦＡ・Ｊリーグ特別指定選手も登録できない。片野坂 知宏監督がこの山場をどう乗り越えていくかが試されることになる。大幅なターンオーバーが必至のこの試合で、ニューヒーロー候補が台頭してくることを、誰よりも望んでいるのは指揮官かもしれない。

一方の京都は、２回戦で大宮を２－０、３回戦で清水を３－１と、下位カテゴリーの相手をきっちりと上回ってラウンド16へとコマを進めてきた。リーグ戦は現在、８勝７分12敗の勝点31で16位。明治安田Ｊ１第16節・名古屋戦以降は調子を上げ、二度の連勝も記録。直近の第27節・Ｃ大阪戦では今夏に加入したラファエル エリアスのハットトリックなどで５得点を挙げて勝利を収め、勝点を積みながら順位を浮上させつつある。しかし、Ｊ２降格圏との勝点差は『３』と、安心できる状況ではない。リーグ次節までは中２日。やや失速気味のFC東京をホームに迎えるとあって、なんとしても勝点を積み、さらに浮上していきたいところだ。かつて片野坂監督の下で主力としてプレーした鈴木 義宜と三竿 雄斗がリーグ戦で活躍している現在、リーグ前節から中３日で迎えるこの試合で、曺 貴裁監督がどのようなメンバーを選考して臨むかも気になってくる。

大分と京都との対戦は、2018年のＪ２第36節以来。大分がリーグ戦２位で終えてＪ１への自動昇格を果たしたシーズンで、その年は大分が２勝している。全公式戦での対戦成績は大分が13勝７分10敗と勝ち越しているが、天皇杯では両者の初対戦となった1999年度の３回戦にて京都が１－０で勝利している。

天皇杯ならではのカード。タイトな連戦中の平日ナイトゲームではあるが、多くの観客に見守られる熱戦に期待したい。